50代半ばの女性。自宅でVHSビデオの山から1本抜き取ってデッキに入れる。ホームビデオの荒れた画質で、輝く銀の甲冑を着たハンサムな男性が白馬に乗って現れる。
トミー・リー。80年代に大人気だったメタルバンド、モトリー・クルーのドラマーだ。
「姫、結婚してください」
そうプロポーズされるのはビデオの撮影者、つまり、トミー・リーの妻になる女優パメラ・アンダーソン。
ネットフリックスのドキュメンタリー『パメラ・アンダーソン、ラブ・ストーリー』は、90年代のセックスシンボルだったパメラが撮影してきた膨大なホームビデオの映像と、ずっと書き続けてきた日記を基にしたパメラの半生記。彼女は同時に回顧録『ラブ、パメラ』も出版した。ゴーストライターは使ってない。とにかく筆マメなのだ。
パメラとトミー・リーは95年に出会い、4日後に結婚した。だが、2人のセックスを撮ったビデオが自宅から盗まれ、それが販売されてしまった。そのドタバタをめぐるドラマ『パム&トミー』も2022年に作られた。パメラの許可なしに。だから、彼女は当事者として自分の人生を語る必要があると思ったのだ。
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source : 週刊文春 2023年2月23日号