「あの2手は、読みの精度が高い藤井さんにしては極めて珍しい誤算だったと思います。結果的に敗戦に直結する、取り返しのつかない悪手でした――」
2月9日、10日の両日に行われた第72期王将戦七番勝負第4局で、挑戦者の羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(20)に勝ち、通算2勝2敗の五分に並んだ。
下馬評では過去11回登場したタイトル戦を全て制した“絶対王者”藤井が有利と目されていた。ところが前人未踏のタイトル獲得通算100期がかかる羽生が往年の強さを発揮したのだ。
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source : 週刊文春 2023年2月23日号