先週号で東京医療センターの大量退職、労基法違反を報じて以降、同じ国立病院機構で働く看護師から続々と悲痛な声が届いている。コロナ禍で奮闘する看護師たちの過酷な実態を徹底調査し、浮かび上がってきたのは――。

〈今週の週刊文春において、「看護師大量退職、国立病院の総本山は労基法違反だらけ」という記事が掲載され、ご覧になられた方もおられると思います。労務管理に関しましては、労働法制に則りながら、現在適切に管理しており、今後、適切にコミュニケーションを図りつつ、働き方改革を進めていくこととしております〉

 これは2月9日、独立行政法人国立病院機構(以下、NHO)に所属する東京医療センター(目黒区)の新木一弘院長が、職員に一斉送信したメールの一部だ。

小誌報道後、東京医療センター院長が職員に送ったメール
東京医療センターでコロナワクチン接種を受ける新木院長(左)、医療従事者(右)

 だが、同センターの現役看護師はこう憤る。

「全く嘘ばかり。文春の記事が出ても幹部は平然としています。私たちの苦しい状況は何も変わりません」

 小誌は先週号で、国立の総合病院である東京医療センターで106人の看護師が年度末までに退職予定であることや、サービス残業、退職制限など労働基準法違反が横行する状況を報じた。

 すると直後から、小誌の情報提供の窓口「文春リークス」に、全国の看護師から「うちも同じ」という内部告発が続々と寄せられた。

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source : 週刊文春 2023年2月23日号