私の体にはある悪魔が取り憑いている。それは普段こそおとなしいが、ふいに前触れなく牙をむいて私に襲い掛かるのだ。
聞くだに恐ろしい奴の名は急性腰痛症。平たく言えば、ぎっくり腰ですな。
「ああ、今日は腰が重いな。よいしょっと……」
これはただの腰痛。奴はそんなに生易しくない。
(ズキッ!)「やってしまった、いたたた……」
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source : 週刊文春 2023年3月2日号