年2万人「大動脈解離・瘤」の罠

人生100年の新常識

「週刊文春」編集部
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 落語家・笑福亭笑瓶(66)が2月22日、急性大動脈解離で死去した。6日前の16日には、BS-TBSの情報番組『噂の!東京マガジン』の収録に元気に参加していたが、21日朝に自宅で倒れて救急搬送され、翌日午前に亡くなった。命を奪った大動脈解離とはどのような病気なのか。

 

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笑福亭笑瓶(事務所HPより)

 大動脈とは、人体で最も太く、心臓から送り出される血液が最初に通る血管。心臓から頭側に向かうとUターンし、背中側から下半身に降りていくちょうど「?」のような形をしている。循環器専門医のしまだ循環器・糖尿病内科クリニック・島田健永院長が話す。

「大動脈の血管壁は内膜、中膜、外膜の3層構造。『大動脈解離』とは、その内膜に亀裂が入り、中膜が剥離して血液が流れ込んで膨らみ(偽腔)、本来の血液の流れ道(真腔)とは別の流れ道が出来た状態のこと。また、血管の状態はそのままだがコブのように膨れ上がるのが『大動脈瘤』です」

写真・図:PIXTA

 大動脈解離と大動脈瘤を合わせると亡くなる人は年約1万9000人(2021年人口動態統計)。この病気が恐ろしいのは、前触れなく起こる点だ。

「大動脈解離は胸や背中に激痛が走り、大動脈に沿って、痛みが胸、お腹、脚と『?』の形に移っていく場合があるのが特徴です。痛さで気を失う人もおり、救急車を呼ばざるをえない事が多い。一方で、大動脈瘤は大抵が無症状です。ただし、大動脈瘤が解離すると激痛が生じる。それは解離性大動脈瘤と呼ばれ、大動脈解離と同じ状態を指します」(太融寺町谷口医院・谷口恭院長)

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source : 週刊文春 2023年3月9日号

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