「今の看護師数では、患者さんの安全は到底守れません。病院としても人を増やしたいのですが、本部の許可が下りない」
「声を上げても、本部に潰されてきた。看護の現場が崩壊した一番の元凶は、機構本部の体質です」
こう語るのは、独立行政法人国立病院機構(NHO)の病院幹部たちである。
小誌が4週にわたって報じてきたNHO傘下の病院看護師の“ブラック労働”問題。全国140の旧国立病院が所属し、「地域医療の基盤」とされるNHOの看護師らが、サービス残業や過重労働などに耐えかね、大量退職しているのだ。
「年度末で計100人の看護師が辞め、来年度の募集も定員割れ。もう持ちません」(東京医療センター看護師)
「ナースコールが鳴っても皆忙しくて駆けつけられず、放置された患者さんがしょっちゅう転倒している」(大阪医療センター元看護師)
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source : 週刊文春 2023年3月16日号