“パーン”
「全国制覇」の文字が掲げられた新しい体育館に甲高い音が響いた。部員をビンタしたのは、昨年1月の春高バレーで日本一に輝いた日本航空高校(山梨)のバレーボール部の監督だ。
1932年に創立された同校は、在校生の7割が寮生活を送る私立の共学校だ。
「戦前の山梨航空機関学校が前身で、全国的にも珍しく航空業界を目指す『航空科』が設置されている。スポーツも盛んで、硬式野球部やサッカー部は過去に全国大会に出場。男子バレー部は“春高”に21年連続で出場し、昨年悲願の日本一になりました」(地元記者)
率いるのは月岡裕二監督(54)。月岡氏は神奈川の藤沢商高(現藤沢翔陵高)の主将兼エースとして日本一に輝くこと2回。明治大を経てサントリーでプレーし、第1回Vリーグの優勝メンバーとなった有名監督だ。
「1998年に日本航空高の監督に就任。選手がバレー第一に専念できる環境を作るために何をするのかが重要という『バレーボールを一にする』がモットーです」(スポーツ紙記者)
だがそんな名門で選手らは深い苦悩を抱えているという。学校関係者が語る。
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source : 週刊文春 2023年3月23日号