「カカオを通じて、世界を変えたいんです」
メディアにそう豪語するのは、菓子大手ロッテ執行役員、吉野慶一氏(42)。「チョコレート界の革命児」と呼ばれる実業家だが、実は、あるトラブルを抱えていた。
ロッテは2022年1月、チョコ業界のベンチャー企業「Dari K(ダリケー)」(京都市)を買収し、完全子会社化した。
2011年創業のダリケーは京都市を拠点とし、インドネシアの生産者から買ったカカオ豆でチョコ商品を製造・販売する会社だ。
「深い味わいで国際的なチョコレート品評会でも数々の賞を受賞し、10年余りでチョコ好きに広く知られる人気ブランドになりました。カカオの価格がニューヨーク等で決まる不条理を変えるため、生産者と契約して利益を還元するという『SDGs』に沿った手法も注目されていた。そこを、ロッテの牛膓栄一社長が“直談判”してグループに引き入れたのです。買収額は『数十億円規模』だったと報道されました」(経済部記者)
そのダリケーの創業者であり社長が吉野氏である。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル