〈最終的かつ不可逆的〉な日韓合意を蒸し返したことには、今更驚かない。だが五輪を人質にとられ、北朝鮮の要求を丸呑みする文在寅氏の姿には、暗澹たる思いを禁じ得ない。嘯(うそぶ)く、ブレる、行き詰る――絶望の三段論法で暴走する“厄介すぎる隣人”の行き着く先は……。
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「この問題のキーワードは、無視あるのみ。近衛声明じゃないけど、“文在寅政権を対手とせず”です」
そう官邸中枢が一刀両断するのは、文在寅大統領の年頭会見における次のような発言だ。
「日本が真実を認め、元慰安婦に対して誠意を尽くして謝罪し、それを教訓として再びそのようなことが起きないよう努力するとき、元慰安婦も日本を許すことができ、それが完全な慰安婦問題の解決と考える。政府と政府間で被害者を排除したまま条件と条件をギブアンドテイクして解決される問題ではない」
2015年の日韓合意を実質的に反故(ほご)にするという衝撃的な内容だが、「とてもそんな重い雰囲気じゃなかった」と証言するのは、在ソウル記者だ。
「会見場には文氏が元慰安婦と抱き合う写真や、若者と手を取り合って談笑する映像が展示され、K-POPのような軽快なBGMまで流れていた。極めてノー天気な雰囲気で、さらに驚いたことに、冒頭に司会役の広報官(国民疎通首席秘書官)が、記者に向かって『起立し拍手で大統領を迎えてくれると嬉しいです』と言い放ったのです」
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source : 週刊文春 2018年1月25日号