「大成建設」。スーパーゼネコンの一角を占め、山内隆司会長は業界団体・日本建設業連合会の会長をも務める日本を代表する企業だ。その大成が、東京地検特捜部から談合事件の捜査対象となっている。徹底抗戦の構えを崩さない大成は驚くべき行動をとっていた――。

◆ ◆ ◆

 渋谷区代々木にある大手ゼネコン、大成建設の幹部寮。2月1日午後1時半過ぎ、本社の総務部長をはじめ、十数名の男たちが険しい表情で寮へと足を踏み入れる。彼らが向かったのは105号室。この部屋に保管されていたのは、約40箱もの段ボールだった。

問題の幹部寮

 中に入っていたのは〈マル秘〉〈部外秘〉などの判子が押された膨大な資料の山。〈リニア〉〈00―△△間〉といったタイトルが記され、多数の金額の入った書類や工事の受注に関する書類もあったという。

「正面玄関からだと目立つから、横から入れてくれ」

「移し変えるのは目立つから、一旦本社に持って行きましょう」

 白い手袋をはめ、囁き合うスーツや作業ジャンパーを着た男たち。総務部長らが段ボールを運び出し、用意したニッポンレンタカーの2トントラックの荷台に載せていく。そして午後2時半頃、トラックは寮から程近い新宿の本社ビルへと走り出したのだった――。

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source : 週刊文春 2018年2月15日号