日本全体にとって「戦争が終わった日」は8月15日ですが、沖縄にとっては6月23日です。1945年、沖縄に上陸してきた米軍との戦闘で本島南部、今の糸満市に追い詰められた日本軍の牛島満司令官が6月22日に自決。翌23日に組織的な戦闘が終結したからです。毎年この日は沖縄にとって「慰霊の日」です。あれから78年目の6月がまもなくめぐってきます。
それを前に4月下旬、沖縄を取材しました。琉球放送の「慰霊の日特番」制作・出演のためです。
慰霊の日に沖縄県主催で式典が開かれるのは、糸満市摩文仁(まぶに)の丘。ここには沖縄戦などで亡くなった兵士や住民20万人を超える人たちの名前が刻まれた碑があります。「平和の礎(いしじ)」と呼ばれています。刻まれている名前は日本人ばかりではありません。台湾や朝鮮半島出身者の名前もあります。当時は台湾も朝鮮半島も日本領。日本人として亡くなった人たちです。
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source : 週刊文春 2023年5月18日号