「この件については番組で話し合って、私が話します」

 

 5月15日、『news zero』(日テレ)メインキャスターの有働由美子はこう前置きし、ジャニー喜多川氏の性加害問題を語った。同番組キャスター櫻井翔はニュースの間、画面に映ることはなかったが、ジャニーズタレントが出演する番組が初めて踏み込んで報道した瞬間だった。

 テレビ局は長年、性加害問題を無視し続けた。性加害を報道した小社をジャニーズ事務所が訴えた裁判で、2004年、記事の真実性が認められた判決が確定した際も、これを黙殺した。

 これまで犠牲者が増え続けた背景には、沈黙を続けたメディアという“共犯者”の存在がある。事態が動き出したのは、カウアン・オカモト氏の会見から。藤島ジュリー景子社長の謝罪は何度も放送された。だがその扱い方には濃淡がある。

 これまで事務所に“忖度”し続けたテレビ局。この問題をどう報じたかで、局のジャニーズへの忠誠度が測れるのである。

 最も積極的に報じてきたのがNHKだ。カウアン氏の会見はもちろん、ファン有志の団体が署名を事務所に提出したこともニュースに。5月17日には看板番組『クローズアップ現代』で大々的に取り上げる。

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source : 週刊文春 2023年5月25日号