公僕たらんと志し、国家公務員となった人々が不正に手を染める。あるいは、死を選ぶ。彼らはなぜ、そのような行動をとらざるをえなかったのか。部下が権力者の犠牲となり切り捨てられていく。日本は、いつからそんな国になったのか。安倍晋三夫妻の罪に迫る。
◆ ◆ ◆
「自分の中の常識が壊された。心と体がおかしくなって、診療内科に通っている。でも、1カ月もしないうちに薬が合わなくなって、夜も眠れなくなった……」
近畿財務局の職員だったAさん(享年54)は昨年8月頃、電話口で親族にそう話していたという。
神戸市灘区、建築家・安藤忠雄氏が設計したという瀟洒なマンション。自宅の一室でAさんが自殺しているのが発見されたのは、3月7日のことだった。
親族が重い口を開く。
「自殺を知ったのは7日の夕方でした。Aの父親に警察から連絡があったようで、号泣した父親から電話があった。私も頭が真っ白になりました。Aは人を裏切らない、曲がったことが大嫌いという人間です。書き換えを強要されたのか、ノンキャリだから政治的なものを拒めなかったのか、と思ってしまう。佐川さんは出世したのに、Aが一番汚いことをさせられていたということなんでしょうか」
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source : 週刊文春