人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
“度が過ぎる”と“度が進む”は、似ているが違う。
どちらも物事のほどあいを示す慣用語ではあるが、前者は『人生エロエロ』的に言えば頻度、またはその内容の濃さを示す。特に学生などはそれによって学力の低下は否めず、青春ノイローゼの大きな原因となる。
後者は、メガネ人間なら当然、御存知であろう。視力の低下を示す言葉だ。ぼやけて見えない、見え辛いといった症状。
早目に眼鏡店に赴き、度の合ったレンズと交換すべきであるが、少しくらい見え辛くなったからと言って毎回、替えていると、さらに度を進めることになってしまわないか? そんな、疑念もある。
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source : 週刊文春 2023年6月15日号