「ロックンロールの女王」、ティナ・ターナーがスイスの自宅で亡くなった。83歳だった。
元夫アイク・ターナーが1951年に録音した「ロケット88」は、コード進行とリズムにおいて最初のロックンロールと言われている。つまりアイクは「ロックの父」なのに、まるで尊敬されていない。ティナにしたことがひどすぎたからだ。
ティナの本名はアンナ・メイ。18歳の頃、アイクのバンドのライブで、客席に差し出されたマイクをつかんで歌って、ボーカルに抜擢された。アイクは当時人気のテレビ番組『ジャングルの女王シーナ』と似た語感を狙って彼女にティナと名付けた。
アイク&ティナ・ターナーのデビュー曲「フール・イン・ラブ」(1960年)はミリオン・セラー。1966年にはローリング・ストーンズと全英、69年には全米をツアー。71年にCCRの「プラウド・メアリー」をカバーして大ヒット、グラミー賞を受賞した。ミニスカートにピンヒールでエネルギッシュにダンスし続けてシャウトするティナは「ダイナマイト」と呼ばれた。
しかし、私生活は地獄だった。
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source : 週刊文春 2023年6月15日号