岸田政権の最重要キーマンとして多忙をきわめる木原官房副長官は、40代シングルマザーの家に出入りし、愛人の運転するベンツで官邸に出勤する。「娘の学費は全部払ってもらっている」と話す彼女にはある疑惑が…。
夜にかけて各地で線状降水帯が発生することになる、6月2日の朝7時過ぎ。降りしきる大雨の中、東京・目黒区の高層マンションの地下駐車場からシルバーのベンツが滑り出た。ハンドルを握るのは中年女性、助手席には小学生の女の子。そして後部座席には、周囲から身を隠すように少しかがんだスーツ姿の男性が座っている。
女の子はスクールバスの乗り場で下車。その後、霞が関方面へ向かったベンツは、権力の中枢、首相官邸前を通過すると速度を落とし、隣接する衆議院第一議員会館と第二議員会館の間を通る坂道で停車した。ベンツの後部左側のドアを開けて降り立ったがっちりとした体躯の男性は、うつむき加減でクルマが来た道を足早に戻ると、首相官邸の中へと消えていった。
約15分後。男性の姿は、官邸4階の大会議室にあった。岸田文雄首相をはじめ、閣僚がずらりと並ぶ大テーブルに腰を下ろす。
この人物こそ、岸田首相の懐刀、木原誠二官房副長官(53)。勝手知ったる様子で彼を官邸まで送り届けた女性は、妻ではない。
◇
岸田政権の発足から1年8カ月。この間、内閣官房副長官の重責を担い続けているのが木原氏だ。5月20日、広島サミットにあわせてウクライナのゼレンスキー大統領が来日した際には、搭乗機を滑走路で出迎えた。木原氏が大統領と固く握手を交す様子は全世界に発信された。
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source : 週刊文春 2023年6月22日号