〈奈良地方裁判所 山上哲也被告公判前整理手続様〉
粘着テープで梱包された段ボール箱が奈良地裁に宅急便で届いたのは、6月12日の午前11時15分頃のこと。差出人の欄には東京都内の住所と名前が書かれ、宛先には“てつ”の漢字が間違えられた山上徹也被告(42)の名前が記載されていた。
社会部記者が解説する。
「本来ならこの日、山上は午後2時に大阪拘置所を出発し、午後3時から奈良地裁で開かれる公判前整理手続きに出席する予定でした。ところが地裁に届いた怪しげな段ボールによって状況は一変。裁判所の男性職員が金属探知機で検査したところ、反応があったことですぐさま警察に通報がなされ、山上が拘置所を出る直前の午後2時前に中止が決まったのです」
奈良県警は爆発物処理班を出動させ、裁判所の職員らは、小雨が降るなか2時間以上にわたって建物の外に避難。上空では報道各社のヘリコプターが旋回し、地裁前の国道も一時封鎖される騒ぎになった。
「午後2時半頃、サイレンを鳴らした爆発物処理車が段ボールを載せ、市内の人気のないグラウンドに到着。その場で警察が調べた結果、中身は危険物ではなく、山上被告の減刑を求める約13000人分の署名やコメントを印刷した書類の束が入っていたことが判明しました。送り主は『手続きを妨害する意図はなかった』と説明しています」(同前)
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source : 週刊文春 2023年6月22日号