岐阜の陸自射撃場で突然小銃を乱射し、隊員3人を死傷させた18歳。親友や同級生らの証言からは苛酷な家庭環境、戦争への異常な執着が浮かび上がり――。極刑も免れない凶行に及んだ“少年”の半生に総力取材で迫る。
〈どうよ〉
〈きついか?〉
今年4月29日、親友のAに、BくんはLINEを通じてそう問いかけた。その20日前、陸上自衛隊守山駐屯地の第35普通科連隊に入隊したAは、こう打ち返す。
〈きつくない〉
〈楽しい〉
2人は中学、高校と青春時代を共に過ごした仲だった。高校を卒業し、Aが地元を離れる前日。Bくんは熱い言葉の数々を盛り込んだオリジナルの餞別画像をLINEで送っている。
〈明日旅立つ中学からの親友〉〈幼少期から目指した自衛隊への一歩を彼は踏みます〉〈今はグッバイ〉
一方でAは入隊にあたって、Bくんに進学先と住所、電話番号、生年月日を再確認してきた。
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source : 週刊文春 2023年6月29日号