今週号が発売され、私が編集長として作る「週刊文春」はあと2冊になりました。この5年、いろんなことがありました。「一番しんどかった時期はいつか」と聞かれると、即答できます。それは2022年3月のことです。
「病気が見つかりました」
そう告げてきたのは、張り込みチームを率いるX記者でした。その直前、ずっと腹痛を我慢しながら仕事をしてきた彼は、さすがにおかしいと思い、仕事を休んで病院に行くと言ってました。その報告は、考えられうる最悪の結果でした。編集長をやっていると、いろんなしんどいことがあります。売れない号が続くと自己否定された気分になりますし、記事のことで世間から批判を受ければ落ち込むこともあります。記事にしたことで、これまでの人間関係が壊れることも珍しくありません。でも、X記者の件は、それらを凌駕するショックでした。
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source : 週刊文春