「“週刊現代の天皇”が辞表を提出した」
6月20日から、そんな噂が出版業界を駆け巡った。講談社の常務取締役、鈴木章一氏(61)が辞表を提出し、社を去ることが決まったというのだ。売上高1700億円を誇る巨大出版社の常務として君臨してきた鈴木氏に一体何があったのか。
鈴木氏は2001~2004年と2009~2012年に週刊現代を率いた名物編集長。2002年(下半期)には週刊誌の実売部数第1位に輝くなどの実績を誇り、編集長退任後も現場への影響力を持ち続けていた。講談社若手社員のA氏が言う。
「役員になってからも編集長を上から操っているという意味で、社内では週刊現代の『上皇』、『法皇』と呼ぶ人もいました。水曜締め切りなのに、火曜日の夕方になって彼の思い付きで企画がひっくり返ることもあった。創業家の野間省伸社長、故金丸信元副総理の親戚の金丸徳雄副社長に次ぐ社内ナンバー3の実力者です」
講談社では「野間家」以外の人間が社長に就くことはあり得ないが、鈴木氏は現状のさらに上、副社長になる可能性も取り沙汰される辣腕常務だった。歯車が狂い始めたのは、今年5月。6月1日発令の人事異動をめぐって社内は大混乱に陥った。
「部数が低迷する週刊現代の業績回復を目指した鈴木氏は『バック・トゥ・ザ・ペーパー』の掛け声のもと、社内の精鋭を紙の週刊現代に結集させたのです。『フライデーデジタル』の編集長を就任4カ月で呼び戻すなどかなり強引なことをやった。極めつけが石井克尚編集長の再登板でした」(同前)
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source : 週刊文春 電子版オリジナル