プリゴジンの乱は「三角関係のもつれ」?|池上彰

池上彰のそこからですか!? 第577回

池上 彰
ニュース 国際 ロシア

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を率いていたエフゲニー・プリゴジンが起こした突然の乱。ロシアが内戦に陥るのではないかと思った人もいたことでしょう。でも、結果は、あっという間の腰砕け。何があったのでしょうか。私は「三角関係のもつれ」ではないかと見ています。えっ、なんのことかって?

 プリゴジンは、ロシアのプーチン大統領と同じレニングラード(現在のサンクトペテルブルグ)出身で、長年大統領の寵愛を受けて事業を拡大してきました。

 過去には数々の犯罪で9年間の刑務所暮らしを経験しましたが、ソ連崩壊後、高級レストランの経営で成功。プーチンらロシア政府幹部が客を接待するときの場所の提供や仕出しを担当して、プーチンとの関係を深めます。その結果、「大統領のシェフ」と呼ばれるようになります。

 それがやがて、プーチン大統領の信頼を得たことで、ロシアの正規軍ができないような“汚れ仕事”を引き受けるようになりました。

 たとえば2014年にウクライナ東部の親ロシア系武装勢力がウクライナからの独立を求めてウクライナ軍と戦闘状態に入ると、プーチン大統領は「ウクライナにはロシア軍はいない」と言ってきました。実際はワグネルの兵士が投入されてきたのです。ワグネルの兵士たちは傭兵。要は金目当てに軍事行動に参加していたのです。

 ウクライナでの戦闘が長引くと、プーチン大統領としては若者たちを徴兵して戦線に投入したいところですが、一部で徴兵を始めたところ、多くの若者が国外に逃げ出し、混乱が起きました。そこで、徴兵よりは金で動く連中を戦場に投入しようということになっているのです。

 また中東やアフリカの独裁国家の要請を受けてワグネルの兵士が投入され、その残虐な行為が報道されていますが、プーチン大統領は「ロシア軍は関与していない」と言い張れるという、便利な組織なのです。

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source : 週刊文春 2023年7月13日号

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