3月8日早朝、千葉県内の自宅2階で、男性が自殺しているのを同居する家族が発見した。亡くなったのは、亀田総合病院(千葉県鴨川市)眼科部長の片岡健氏(仮名=享年60)。彼はなぜ、自ら命を絶たなければならなかったのか。
国内有数の民間病院として知られる亀田総合病院。米有力誌『Newsweek』が患者満足度などを基に毎年発表する「World's Best Hospitals 2023」でも、東京大学医学部附属病院、聖路加国際病院に次ぐ国内第3位にランクインしている。グループの亀田隆明理事長は『カンブリア宮殿』(テレ東系)などのテレビ番組でも取り上げられてきた。現在は、隆明氏の長男・俊明氏が院長を務めている。
「亀田の眼科部長に2000年に就任したのが、片岡氏でした。海外留学経験があり、技量にも優れる。後進育成も熱心です。都心から離れた地域でも、優秀な眼科医を確保すべく奔走してきました」(亀田関係者)
そのために欠かせなかったのが、日本眼科学会による「眼科専門研修基幹施設」としての認定だ。基幹施設になれば、眼科専門医を目指す研修医に研修プログラムを提供でき、将来的な人材確保にもプラスに働く。
「ただ、指導医の確保など条件が厳しいため、基幹施設の大半が大学附属病院です。片岡氏は自身の人脈でスタッフを招聘するなどして、13年度に認定に漕ぎつけました」(同前)
ところが――。
昨年秋、彼の苦悩が始まった。学会の専門研修プログラム整備基準には、以下のように記されている。
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source : 週刊文春 2023年7月20日号