ムチャぶりで芸人を追い込む真夏のブチギレ王決定戦

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「俺今日ギャラ1700円だぞ!」

 オープニングからバイきんぐ・小峠英二がブチギレて始まったのが『ランジャタイのがんばれ地上波!』(テレビ朝日)の「真夏のブチギレ王決定戦」だ。MCのランジャタイ・国崎和也とプライベートで飲んでいるときに「出てくれ」とお願いされて出演したという。この企画は「年始」に続いて2回目。小峠以外はきしたかの・高野正成、村田大樹(武炎)、わらふぢなるお・口笛なるお、ネコニスズ・ヤマゲンという前回同様のメンバーが揃った。普段はMCでありながらも、やりたい放題ボケまくる国崎だが、この企画のときは、MCに徹し、絶妙なムチャぶりをしながら、ゲストの魅力を引き出している。

 最初の“競技”の「相手のティーカップにブチギレろ!」から小峠が「今日死人出るぞ」と息も絶え絶えに言うように、酸欠になるくらいお互いにブチギレ合う面々。続く「100万円にブチギレろ!」では「手に入ると思ってお前めがけて行ってんのに1回も俺のところに来たことねぇ!」とキレる高野のように、“手に入らない大金”としてブチギレているのに対し、最後に挑戦した小峠は「大したことねぇなぁ!」と第一声。「いつも勝手に舞い込んでくるよ! 銀行に!」「薄い! 薄い! 薄い! 薄いよー!!」と大爆発。国崎に「小峠さんの集大成でしたね」と讃えられるも小峠は「出すか、ここで集大成!」と吐き捨てる。

小峠英二 ©AFLO

 この収録は、元々2本分だった予定が、盛り上がりすぎたため4本分になったらしい。見ている方も酸欠になりそうなくらい一瞬の隙もなく笑いっぱなしだ。

 ここまで他を圧倒するようなブチギレを披露してきた小峠だが、「鏡の自分にブチギレろ!」では“異変”が起こる。セオリーであればベテラン小峠は最後。だが、突如2番目に指名されたのだ。やる順番で意表をつくことで「何か」が起こることを狙ったのだろう。そしてそれは実際に起こる。本来は鏡の自分に向かって悪態をつくという趣旨の企画。しかし、自分の番が最後に来ると思っていた小峠は、自虐を言うに違いない他のメンバーと違う方向で行こうと考えていた。そのため小峠はいきなり「悪くないねぇ!」と叫んだのだ。“変化球”には早すぎるタイミング。一斉にツッコまれながら挑戦を終えると小峠は納得できなかったのだろう、「もう1回やらせてくれ!」と懇願するのだ。

 ただでさえ芸人に負荷をかけた企画でさらに追い込むえげつなさ。その結果、見たことがないシーンが生まれることになった。小峠は再挑戦。すると「クソハゲメタル坊主コラ!」など凄まじい悪態で、これまで以上の爆笑を奪ったのだ。そして小峠は言う。

「今日が俺の集大成だよ」

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source : 週刊文春 2023年8月3日号

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