地元マンションに夜な夜な人妻デリヘル嬢を呼ぶ男。妻が重要参考人とされた最中でも、気にする風もない。コロナ下でも、「俺はエッチを我慢できないから」と嘯き、総理の右腕となってからも、違法な本番行為を強いる常連客の正体は――。
新緑に囲まれた6階建てのマンション周辺は、夜9時を過ぎると人通りが途絶え、微かな街路灯が暗がりを照らす。夜の静寂を縫うように所沢ナンバーの乗用車が横付けされ、後部座席から女性が駆け足で飛び出していく。乗用車が送迎するのは毎回違う女性だが、彼女たちが向かう先は、決まって6階の一室だった。女性たちは「ナカキタ」と称する男の部屋を日々訪れ、1、2時間すると、先の乗用車で去っていく。
表札には「KIHARA」
「あの人は、うちの“上客”ですよ。オープン以降、平均すれば月1、2回は利用してくれています。今までトータルで50回以上、100回未満。前日などにメール予約をするわけではなく、急に『今から来られる子をお願いします』というような電話が来るんです。お気に入りの子がいるわけではなく、多分誰でもいいんじゃないかな」
そう打ち明けるのは、人妻専門デリヘル「W」の関係者だ。「ナカキタ」の部屋の郵便受けの表札にはピンクや黄色の星が描かれたシールが貼られ、中央に「KIHARA」と手書きで記されている。だが、彼女たちは「ナカキタ」のフルネームを知る由もない。
彼を接客したことのあるデリヘル嬢は告白する。
「マンションに着くと、彼から『シャワー浴びてきて』と命じられました。シャワールームを出て、寝室に行くと、そこは真っ暗闇。その暗闇の中で、彼はスッポンポンで佇んでいた。恐る恐る寝室に入ると、ベッドに押し倒されて、物凄い勢いで襲われました。そして、そのままエッチを強いられて……」
謎の男「ナカキタ」が夜な夜な女性を招き入れたマンションの一室。その部屋の所有者の名は、木原誠二という。当時、妻の前夫“怪死事件”捜査の渦中にあった人物である。
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source : 週刊文春 2023年8月17日・24日号