尾上右近「座頭になりたい」

ドキュメント『男の肖像』

新居 典子
エンタメ 芸能

 清元の家に生まれながら、歌舞伎俳優を選択したからこその歌舞伎への情熱と行動力。ますます完成度が高くなる自主公演。有言実行の人、尾上右近が次に目指す場所とは――?

 

撮影 三浦憲治

 

(Ukon Onoe 1992年5月28日生まれ。東京都出身。7歳で初舞台、12歳で新橋演舞場『人情噺文七元結』で二代目尾上右近を襲名。次回、第8回の自主公演は東京・大阪で開催決定。第7回「研の會」の舞台のDVDは「onoe-ukon's STORE」で予約販売中)

 ケンケンももう31歳である。

 2015年から始まった尾上右近の自主公演「研の會」は今年で第7回を迎えた。その愛されキャラと、岡村研佑の本名から“ケンケン”の愛称で親しまれてきた彼は、当初23歳だった。コロナ禍で一度は中止となったが、まさに継続は力なり。第7回の自主公演「研の會」が今年8月2日、30日に浅草公会堂で開催され、全4公演を完走した。

「“右近さん”と呼ばれなきゃいけない瞬間と、“ケンケン”で大丈夫な瞬間をどちらも成立させることが、今僕が目指すところです。この瞬間に“ケンケン”と呼ばせてちゃダメだなって思うときもある……」

『夏祭浪花鑑』の団七が義平次と争う場面、美しい型を披露。

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source : 週刊文春 2023年9月7日号

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