9月8日から10日にかけてロシア国内で行われた統一地方選挙。結果は、ウラジーミル・プーチン大統領(70)の出身母体でもある与党「統一ロシア」の圧勝で幕を閉じた。
ロシアの選挙がどのような制度の下で行われているのか、実は日本ではあまり詳しく知られていない。だが、その実態を取材してみると、我々の想像の斜め上を行くものだった。ロシアの“ヤバい選挙”の内幕に迫る!
今年6月、ロシア政府は一方的に併合したウクライナ東部と南部の4つの州を含めたロシア全土での「統一地方選挙」の実施を発表した。だが、国内ではウクライナ侵攻下での選挙実施に反対の声も根強く、独立系メディアが先月末に行った世論調査によると、対象者の34%が「特別軍事作戦が終わるまでいかなる選挙も行うべきではない」と回答したという。
それにもかかわらず、今回の統一地方選挙実施に踏み切ったロシア政府。拓殖大学特任教授の名越健郎氏がその理由をこう指摘する。
「ひとつは、併合したウクライナ4州の支配の既成事実化を図る目論見があります。地方議員などを選出し、ロシア側の代表を立てることでこれらの地域が自国の一部であると印象付けたいのでしょう。
その一方で、プリゴジンの乱で揺れた政権の基盤を盤石化させたいという狙いもあります。今回の選挙は来年3月に行われる大統領選の前哨戦。5期目を目指すプーチン大統領にとっては、まず統一地方選挙で与党が圧勝することで弾みをつけたいのです。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル