総務省は9月12日、政府による3分の1以上の保有義務などを規定したNTT法の見直しを議論する特別委員会を開いた。NTTの島田明社長は「(現行法は)国際的競争力の強化を妨げている」と主張した一方、他3社のトップは「NTTの肥大化を招く」と猛反発。同委員会は、24年5月頃を目処に報告書を取りまとめる予定だ。

「自民党内ではNTT株の売却益を防衛財源に充てる案が浮上するなど、見直し案が加速。“ドン”によるロビーイングも利いているのでしょう」(政府関係者)

 “ドン”とは、澤田純会長(68)のことだ。

「GAFAに伍する企業に」と強気の澤田氏

 1978年、旧日本電電公社に入社した澤田氏は順調に出世街道を歩み、2014年に副社長、18年に社長に就任。NTTドコモ完全子会社化など、グループ再編に大ナタを振るった。

 ところが「週刊文春」が21年3月、“迎賓館接待”を報道。澤田氏自ら、政治家や官僚を1人5万円の高級フレンチなどで接待していたことが発覚した。だが、谷脇康彦総務審議官(当時)らが更迭される中、澤田氏は報酬を3カ月間、4割カットしたのみ。同社の特別調査委員会も「(接待による行政判断の歪みは)確認されなかった」と結論付けた。

「それどころか、昨年6月には、副社長だった島田氏を後任社長に据えたものの、自身は代表権を保持したまま会長に就いた。NTTの会長が代表権を持つのは、実に26年ぶりのことです」(NTT関係者)

 当然ながら、役員報酬も高額だ。昨年3月期は1億2300万円、今年3月期も1億1400万円と2年連続で1億円を超えている。

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source : 週刊文春 2023年9月28日号