岸田政権に新たな“木原事件”が発覚した――。ただ、木原は木原でも、前官房副長官ではない。木原稔新防衛相(54)である。
木原氏は日本航空のパイロット、総合職を経て、2005年9月の郵政選挙で初当選。熊本1区が地盤で現在、5期目だ。
「その存在が注目を集めたのは、15年6月のことです。沖縄全戦没者追悼式での安倍晋三首相(当時)への野次について『動員されていた』などと述べ、物議を醸しました。自身が代表の勉強会でも、講師に招いた作家・百田尚樹氏が『沖縄の2紙を潰さないといけない』と発言し、木原氏は党青年局長を更迭されたのです」(政治部記者)
こうした言動から、党内きってのタカ派と見られてきた。防衛力の抜本的強化にもやる気十分だという。
「でも、彼は郵政選挙の前、民主から出馬しようとしていたんですけどね……」
そう首を傾げるのは、旧民主党熊本県連関係者だ。
「木原氏はメールで『政権交代が必要』などと主張するレポートを送ってきた。ただ、既に候補者がいて、断りました。当時はゴリゴリのタカ派という感じではなかった。まだ民主に勢いのあった時期ですから、当選できればどちらでも良かったのでしょう」(同前)
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source : 週刊文春 2023年10月5日号