筆者の手元に3枚のA4文書がある。その1枚にはこう記されている。
〈解散命令は“反社認定”ともなります〉
この文書は今年10月1日、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が信者や賛同者に向けて配ったもので、〈「解散命令請求」を検討する政府への嘆願書提出の呼びかけ〉と題されている。また〈嘆願書〉のひな形も添付されており、宛名は〈内閣総理大臣 岸田文雄様〉〈文部科学大臣 盛山正仁様〉とある。紙の文書に加え、オンラインでも署名を集めており、そこには〈「解散命令請求」は政府による反社認定に等しく、法人死刑宣告とも言えます〉とあるが……。
10月6日、日本政府が10月13日にも統一教会に対する解散命令を請求する方針ということが明らかになった。
文科省の関係者が語る。
「教団が行なってきた反社会的行為の悪質性、組織性、継続性の3点を証明するために、文化庁宗務課はわずか半年余りで、裁判所を納得させ得る資料を積み上げました。特に、教団側の『2009年の“コンプライアンス宣言”によって改革が進んでいる。霊感商法や高額献金に関する訴訟も激減している』という主張をひっくり返す必要から、2009年以降に発生した違法・不当行為に関する聞き取りを、重点的に続けたんです。東京地裁に提出される被害者の陳述書は、数百通にものぼると聞きます」
教団はこれまでも宗教法人法に基づく質問権行使に関して「法律上の要件を欠いているため違法」と主張。回答を拒否した宗教法人の代表役員に対する10万円以下の過料についても、科さないように求めている。
解散命令についても徹底的に争うことを公言しているため、最高裁まで争われることは必至だ。解散そのものは東京高裁が抗告を棄却した時点で確定するが、その間の審理はすべて非公開で行なわれることになる。
統一教会が内部文書で示した徹底抗戦の意思
最後まで抵抗する構えを示している統一教会。それを示すのが、冒頭の文書だ。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル