さて、大塚署で女性刑事が事件を「掘り起こした」後、種雄さんの不審死事案は警視庁捜査一課特命捜査対策室特命捜査第一係、通称「トクイチ」に持ち込まれた。その捜査に俺も加わることになったわけだが、捜査が大きな動きを見せたのは6月のことだった。
X子が家庭問題を相談していたYが、重要な証言を行ったからだ。
Yは当時、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、宮崎刑務所に収監されていた。捜査員は30回ほどの面会をYに対して行ったのだが、そのなかでこんな供述をYがしたんだ。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル