「やったかもしれないし、やってないかもしれない」

 

 長野県塩尻市の老人ホームで入所者の前田裕子さん(当時77)に薬物を飲ませて殺害したとみられる元職員の望月大輔容疑者(40)。取り調べで曖昧な供述を続ける男の周辺では、不可解な出来事が頻発していた。

 殺人容疑で10月11日に逮捕された望月を、県警は早くからマークしていた。

 地元紙記者が解説する。

「前田さんの死亡は昨年5月28日。その3日後に、望月は別件逮捕されている。容疑は2021年8月に、偽名を使って役場に虚偽の通報をしたという偽計業務妨害罪(後に不起訴)です」

18年に地元紙に登場していた望月(長野日報より)

 その後、望月は有印私文書偽造、窃盗、詐欺等の容疑で次々と再逮捕され、

「昨年9月には傷害罪でも再逮捕。同僚女性の飲み物に薬物を混ぜて飲ませたという容疑です」(同前)

 こうした一連の捜査で殺人容疑が固まり逮捕に至った。だが捜査関係者は言う。

「実は、望月にはこれらの逮捕案件以外にも数々の余罪が疑われており、その捜査は今も続いています」

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source : 週刊文春 2023年10月26日号