18年ぶりの“アレ”を達成し、クライマックスシリーズも順当に勝ち抜いた阪神。岡田彰布監督(65)にとっては、昨年オフに監督復帰して早々の日本シリーズ進出となった。
強気の姿勢で“闘将”とも評される岡田監督。だが、そんな岡田監督が“逃げの一手”を打った勝負があった。10月26日のドラフト会議だ。
「岡田監督は、くじ運がきわめて悪いことで知られている。その代表例が、オリックス監督時代の2010年です。1位指名で大石達也(早大)を外し、外れ1位の伊志嶺翔大(東海大)、外れ外れ1位の山田哲人(履正社)も外してまさかの“3連敗”。ドラフトの総括で『2回目からは重複せんと思って安心しとったのにのう。情報不足や。こんなん大失敗よ!』とスカウト部に大激怒していました。現場復帰したばかりの昨年のドラフトでも、高松商・浅野翔吾を巡って巨人と競合し、外しています」(在阪テレビ局記者)
第一次阪神政権時からドラフトの通算成績は1勝8敗で、現在6連敗中。球団関係者が声を潜める。
「本人もトラウマを抱えているようで、くじ運の悪さをいじられると、冗談でも途端に機嫌が悪くなる。今年もスカウト会議で『とにかく絶ッ対に競合しないように』とスカウトに厳命していました」
大学生投手を中心に「豊作」と言われた今回のドラフト。水面下では、各球団のこんな攻防が繰り広げられていた。
「巨人は当初、武内夏暉(国学院大)狙いだったのですが、24日に西武が武内の1位指名を宣言。そこで阿部慎之助監督は急遽、編成幹部を再招集し、西舘勇陽(中央大)の1位指名に切り替えて、翌25日付の一部スポーツ紙に報じさせた。同日にも水野スカウト部長が報道を追認する形で事実上の指名宣言をしています。両球団ともいち早く指名を宣言することで、他球団を牽制する狙いがありました」(巨人担当記者)
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source : 週刊文春 2023年11月9日号