11月1日深夜0時半。朝日新聞社に所属する複数の社員や記者に1通のメールが届いた。送り主は、10月末で同社を退社した南彰(みなみ・あきら)氏。
政治部や大阪社会部などで長年政治取材に携わり、30代の若さで新聞労連委員長に就任したことでも知られている“名物記者”だ。
メールの宛先は中村史郎社長と角田克専務の2人。それ以外に編集局に所属する多くの記者がBCCで含まれていたと見られる。
南氏はメールに「退職のごあいさつ」と題したA4用紙6枚にわたる文書を添付していた。そこには、南氏が退職した経緯や、朝日新聞への〈思いが打ち砕かれた〉出来事などが仔細に綴られていた。朝日新聞の“名物記者”は一体何を書き残して社を去ったのか。南氏の「退職のごあいさつ」の全文は次のとおりである。
Subject: 退職のごあいさつ(南)
みなさま
コンテンツ編成本部の南です。
21年半、大変お世話になりました。
退職届を提出して以降、社内の各方面からさまざまな問い合わせがあったので、自分なりの考えをつづりました。
今の朝日新聞という組織には、絶望感ではなく、絶望しかない。
ただ、この「絶望」ときちんと向き合えば、朝日新聞の本来あるべき姿を取り戻せるかもしれません。沖縄からそのことを願っています。
《以下、添付されていた「退職のごあいさつ」》
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source : 週刊文春 電子版オリジナル