人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
問題の先送りよりもよろしくないのは、ビデオの早送りだと思っている。
昔はどんなに長ったらしい導入部であってもただただ、本番が始まるのを待っていたものだ(ここで言う“本番”とは、楽しみにしているシーン)。
怪獣映画であれば、怪獣が登場、大暴れするシーン。ポルノ映画であれば、濡れ場などのことである。
取り分け初期の怪獣ものと、団鬼六ものは“お楽しみはまだまだこれからだ”と観る者をジラしてきたものである。ちなみに団鬼六ものとは、日活ロマンポルノに於ける団さん原作のSM路線作品。僕はある意味、それも特撮映画だったと思っている。
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source : 週刊文春 2023年12月7日号