「埋蔵金」という言葉を聞くと、80年代後半から90年代前半にテレビに夢中になった世代は、徳川埋蔵金、赤城山、糸井重里……といったフレーズが自然と脳裏に浮かび上がってくるだろう。糸井重里らが『ギミア・ぶれいく』(TBS)で赤城山に眠ると言われる埋蔵金の大規模な発掘企画を行った。「あるとしか言えない」と信じ、今回こそはと釘付けになって見る一方で、いや、もし発見していたら放送前にニュースになっているはずと、ある種の自己防衛でどこか冷静な自分もいた。そんな“ロマン”と“現実”の両方を教えてくれた企画だった。
その一大プロジェクトを「あそこ掘ってもムダだよ」と一蹴していた男がいる。それが八重野充弘。糸井本人にも「素人騙しはやめなさい」というメールまで送ったという。その八重野に密着したのが、『クレイジージャーニー』だ。彼のモットーは「土を掘るより、資料を掘れ」。そのため実際に掘ったのは16箇所で、小判1枚も見つけたことがない。にもかかわらず、いや、だからこそ情熱が冷めることがない。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2023年12月14日号