11月29日14時、東京・青山の一等地にあるオフィスビルにスーツに身を包んだ3人が入っていく。彼らは三田労働基準監督署の職員である。このビルに入居しているのは、人材サービス業のMWH HR Products株式会社(以下、MHRP社)と、その親会社MBK Wellness Holdings株式会社(以下、MBK社)の青山支社。突然の立ち入り調査に社内は騒然となった。そして、三田労基署はMHRP社に対し、「元従業員に法定労働時間を超えて労働させているにもかかわらず、時間外割増賃金を支払っていない」として、「指導票」を手渡したのだった――。
実は、彼らが労働基準法第37条違反の疑いで「立ち入り調査」と「指導」を受けるのは今回が2回目。そして、このMBK社とMHRP社はそれぞれ「三井物産」の子会社・孫会社なのである。
三菱商事、伊藤忠商事とともに「3大商社」の一角をなす三井物産。昨年度の純利益は総合商社として初めて1兆円を超えるなど、業績は好調だ。今年度も10月31日に発表した決算で、通期の純利益を従来の8800億円予想から9400億円に上方修正している。また、同社は岸田文雄首相の長男で首相秘書官を務めた岸田翔太郎氏が新卒で入社したことでも知られている。
そんな三井物産の傘下にある企業が、冒頭のMBK社とMHRP社だ。
「2021年11月、三井物産の完全子会社であるMBK社が人材系企業・ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス(以下、ヒューマン社)のTOB(株式公開買い付け)を実施。その後、2022年10月にヒューマン社を吸収合併しました。それに伴い、ヒューマン社の傘下だった2社『AIMSインターナショナルジャパン株式会社(以下、AIMS社)』と『株式会社A・ヒューマン』が合併して2023年10月に誕生したのが、MHRP社です。つまり、三井物産からすると“孫会社”に当たります。
MHRP社は経営層に特化した人材紹介サービスをウリとしており、『三井物産グループ唯一の総合人材サービス企業』を掲げ、マスコミ・医療・金融など、多業種にわたるヘッドハンティングを行っています。今年11月には、『日経ビジネス』(電子版)に幹部らのインタビューが掲載されました」(経済系ウェブメディア記者)
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