歌手・やしきたかじんが亡くなったのは、2014年1月のことだった。当時、物議を醸したのは、32歳下の後妻の存在。あれから10年、彼女は新恋人を相手取って訴訟を起こしていた。そこで明らかになったのは――。

 1月17日午後2時、東京地裁504号法廷。傍聴席30ほどの小さな法廷に現れたのは、豊かなロングヘアに黒のワンピース姿、黒のピンヒールを上品に履きこなした女性だ。歌手でタレントのやしきたかじん(享年64)の後妻・家鋪さくら氏(42)である。

さくら氏はたかじんの3人目の妻

原告代理人「3000万は大金ですが、なぜ被告にお金を貸したんでしょうか」

さくら氏「貸した当時は被告と交際していて、結婚を約束していたからです」

 訴訟の原告である彼女は大きな眼を見開き、そう口にしたのだった。

  “関西テレビ界の帝王”だったたかじんが亡くなったのは、遡ること10年前、2014年1月3日のことだった。その10カ月後の11月7日、大きな議論を巻き起こす作品が刊行される。百田尚樹氏の「殉愛」(幻冬舎刊)。たかじんとさくら氏の出会いから死別までを、彼女の視点で振り返った“ノンフィクション”で、発行部数30万部を超えるベストセラーとなった。

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source : 週刊文春 2024年2月1日号