2月23日が64歳の誕生日となる天皇。幼いころから愛子さまに授けてこられたのは“3ない教育”だった。愛子さまが直面された二度の困難を乗り越える糧となった、天皇のご教育とは。ご学友らが明かす父娘の実像。
その日の天皇は慌ただしい1日を過ごされていた。
昨年9月13日。天皇は午後3時過ぎに皇居の水田で稲刈りをされ、午後5時過ぎからは、宮殿・松の間で第2次岸田内閣の発足に際しての国務大臣の認証式に臨まれた。
そして、皇居にすっかり夜の帳が下りた午後9時頃。虫の声が響く真っ暗な皇居の庭に、ぽつんと点いた灯り。それを目指して、ランタン型の電灯を持った天皇皇后が、皇居の堀の方から歩いてこられた。灯りは、昆虫学者の岸田泰則氏が蛾の採集のために点けていたものだった。
雅子さまの小学校時代の恩師であり、今もご夫妻と交流を続ける岸田氏。スズメガの幼虫などを見せながらの天皇皇后との立ち話は1時間に及んだ。自然と話題に上ったのは、愛娘のことだった。
「連れてこられたら良かったけど、今は卒業論文をやっていて、なかなか出てこられませんから」
天皇と雅子さまはこう仰った。そして、岸田氏に同行していた大学生がまさに卒論執筆中だという話をお聞きになると、
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source : 週刊文春 2024年2月29日号