「もしトラ」という言葉がすっかり知られるようになりました。「もしトランプ前大統領が返り咲いたら」という予測のこと。その場合、どのような対策を取ればいいのか、世界各国が身構えています。でも、アメリカの状況を見ると、もはや「もしトラ」ではなく、「ほぼトラ」の様相を呈しています。
こうなると、ジレンマに陥るのは岸田総理のはずです。4月にバイデン大統領から国賓として招待されているからです。日米関係は重要ですから、訪米したら、バイデン大統領との蜜月ぶりをアピールする必要があるでしょう。それが対中国の抑止力にもなるはずです。
ところが、バイデン大統領との親密な関係を見せつけると、トランプ前大統領の反応が心配です。トランプ氏は、個人的な嫉妬や恨みで対応を決めることが多いからです。いまトランプ氏は、自分が4件の事件で起訴されたことを「バイデンの策略」だと主張しています。2020年の選挙で自分を破ったこともあり、バイデン大統領に対し恨み骨髄です。そんなバイデン大統領と親密な姿を見せた首相に対し、大統領に返り咲いたら、どんな対応を見せるやら……。
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source : 週刊文春 2024年3月7日号