永田町取材歴20年以上。与野党問わず多くの政治家と付き合ってきたベテラン記者が最後に選んだテーマは、野党第一党を窺う勢いの維新だ。膨大な取材メモが浮き彫りにする最高幹部らの実像、そして党の今後とは――。
「危うく文春さんに政治生命を断たれるところやったわ」
2月20日夕方4時前、私が訪ねたのは、「日本維新の会」の代表・馬場伸幸(59)の議員会館事務室。加湿器から立ち上る蒸気の向こう側から、開口一番、そんな言葉を投げかけられた。
私が馬場と会うのは、およそ半年ぶりである。
「週刊文春」は昨年8月10日発売号などで、社会福祉法人の“乗っ取り”疑惑を報道。それらを受け、維新は名誉を毀損されたとして発行元の文藝春秋と担当記者を相手に、300万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしていた。
それまで私は、毎週のように事務所に顔を出し、取材を重ねてきた。ところが、“乗っ取り”疑惑の取材班の一員だったことを知った馬場から8月5日、皮肉めいたショートメールが届く。
〈暑い中、取材してくれてるようでありがとう〉
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source : 週刊文春 2024年3月7日号