「写真を教えてあげる」「アシスタントにしてもいい」。尊敬する先達から声をかけられ、報道の仕事を志す若い女性たちは歓喜した。だがその先には、性暴力ともいえる人権侵害が待ち受けていた。被害女性たちがフォトジャーナリスト・広河隆一氏の実像を証言する。(文=田村 栄治)
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コートやダウンをまとった人々が行き交う、東京・新宿の京王プラザホテル。
杏子さん(当時20歳。以下、被害女性は全て仮名)が指定された部屋の前で呼び鈴を押すと、中にいた広河隆一氏(現在75歳)がドアを開けた。部屋に足を踏み入れた途端、杏子さんは広河氏にベッドへ連れて行かれた。恐怖で言葉を発せず、抵抗もできなかった――。
現在都内の会社に勤務する杏子さんは、押し込めていた記憶に立ち向かうように、11年前の忌まわしい出来事について話す。
「ずっと自分にスキがあったからだと思おうとしてきました。でもいま振り返ると、あれは性被害でした。もっと早く声をあげていれば、別の女性が被害にあうのを防げたかもしれないと思うと、黙ってきたことに責任を感じています」
2004年に「DAYS JAPAN」創刊
杏子さんの証言は、世間の広河氏のイメージをひっくり返す衝撃的なものだ。詳しくみていく前に、まずは広河氏の人物像を紹介しておこう。
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source : 週刊文春 2019年1月3日・10日号