「『殺してやる』じゃなくて本当に人を殺す感じなの」――。2年前から女性はストーカー男の恐怖に苛まれ、命の危険を感じていた。2人の出会いから1000万円の行方、事件直前のSNS配信。総力取材で事件の謎に迫る。
▶︎実はバツ1、前妻はキャバ嬢、普段は ウーバー配達員
▶︎親友の新証言「1000万円はシャンパンタワーに消えた」
▶︎被害者最後の食事は「冷凍餃子と雪見だいふく」
「事件の直前、彼女はTikTokのライブ配信をしていました。いつものように他愛のない話をして、冷凍の餃子を焼いて、ご飯をチンして食べていた。『美味しい』って。夜遅くで彼女はもう半分寝ていたので『遅いから寝なよ』と声をかけたら、『コンビニに行ってから寝るわ』と配信を終えた。それが彼女との最後のやりとりでした」
こう語るのは、殺害された平澤俊乃さん(25)の親友の男性Aさん。
5月8日に起きた新宿タワマン殺人事件。深夜3時過ぎ、自称配達業・和久井学容疑者(51)が殺人未遂の疑いで、警視庁新宿署に現行犯逮捕された。
和久井は前日から、平澤さんの自宅タワーマンションで待ち伏せし、犯行に及んだ。現場には果物ナイフ2本を持参。未明の凶行は壮絶なものだった。
「刺し傷は首から腹部にかけて数十カ所に及び、逃げる平澤さんを追いかけ、背中も刺している。警察は容疑を殺人に切り替え、2人の関係を軸に調べを進める方針です」(社会部記者)
和久井は平澤さんに対して一方的に好意を寄せていた。警察の調べにこう供述している。
「1000万円以上、お金を渡しているのに返してくれなかった。取り返しに来た」
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source : 週刊文春 2024年5月23日号