“Take a look, what happens(何が起こるか見てみようじゃないか)”

 

 11月5日の米大統領選に出馬表明しているドナルド・トランプ前大統領(78)がこう語った瞬間だった。「パン、パン、パン」と乾いた銃声が周囲にこだました。狙撃の主は、まだ20歳、白人“ローンオフェンダー(組織に属さない単独テロ犯)”だった。

 

 米国東部時間7月13日午後6時過ぎ、ペンシルベニア州バトラーで起きたトランプ前大統領の暗殺未遂事件。演壇から約120メートル離れたビルの屋上でシークレットサービス(SS)の狙撃手に射殺されたのはトーマス・マシュー・クルックス容疑者だった。

クルックス容疑者

 現地特派員が語る。

「その直前、ビルの屋根によじ登る容疑者の姿を会場の聴衆が目撃。これを察知した警察官2人もビルに駆け付け、1人が梯子で屋上に登り制圧しようとしたが、容疑者に銃を向けられ後退。その隙に容疑者はうつ伏せの姿勢で前大統領を撃ったのです」

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source : 週刊文春 2024年7月25日号