「例えば広島1区。岸田首相の選挙区です」。今後の政治活動について問われ、そう語った石丸氏。都知事選で旋風を巻き起こした男には、まだまだ知られざる裏の顔があった。果たして、彼は首相を打ち砕くことができるのか。
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6月27日夜、ホテルニューオータニの上海料理店「大観苑」に、ビールグラスを掲げる岸田文雄首相(66)の姿があった。2つの円卓が並ぶ個室に集まったのは、稲田朋美幹事長代理(65=福井1区)ら自民党の「1区」選出議員たち。首相の隣に座るのは、ポスト岸田を問う世論調査で1位常連の石破茂元幹事長(67=鳥取1区)だ。30分ほど滞在した岸田首相は帰り際、真っ先に石破氏のもとに向かって堅く握手。会場から拍手が沸き起こったという。
石破氏が振り返る。
「岸田さんは淡々としていて、ハイになることもなく、落ち込むこともなく。ビールと紹興酒を飲んで。(挨拶では)『色々大変だけど、皆さん頑張りましょう』って。どこも1区は情勢の煽りを受けるわけだから、若い人は不安を抱えているわけですよ。そういう話を総理とする場としてやっている。地元に戻って総理と話したと言ったら、有権者も『ほー』となるわけよ」
その「1区」に挑戦状が叩きつけられたのは、宴から10日後のことだった。
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source : 週刊文春 2024年7月25日号