「彼は22年間もNHKで仕事をしてきて、局のスタッフも彼を信頼しきっていたはず。なぜこんなことをしたのか……」
中国人のテレビ関係者がこう首を傾げるのは、NHKのラジオ国際放送で“問題発言”を行った中国人の男性A氏についてである。
事件が起こったのは、8月19日午後1時過ぎから放送された中国語ニュースでのことだ。A氏は、靖国神社の石柱に中国語とみられる落書きがされていたニュースを読み上げた後、約20秒間、まず中国語でこう発言した。
〈釣魚島(尖閣諸島・魚釣島の中国語名)と付属の島は古来から中国の領土です。NHKの歴史修正主義宣伝とプロフェッショナルではない業務に抗議します〉
さらに、英語で、
〈南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな〉
NHK関係者が語る。
「午前中に局に集まって打ち合わせをした後、A氏のようなスタッフが、渡された日本語の原稿を自ら翻訳します。翻訳後に局員が確認することはなく、内容はほぼノーチェックです」
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source : 週刊文春 2024年9月5日号