カマラメンタム、といっても軟膏じゃなくて、カマラ+モメンタム、つまりカマラ・ハリス大統領候補の勢いがそう呼ばれている。出馬表明以来、支持率は伸び続け、接戦州の大半で既にトランプを超え、共和党の牙城テキサス州でもトランプに迫っている。

 彼女を正式に大統領候補として指名する民主党全国大会が8月19日からシカゴで開かれた。「後戻りしない」「前進」をテーマにした、まったく新しい大会だった。

 まず異例だったのはロール・コール。州ごとに候補者を読み上げる定例の手続きだが、DJが各州のご当地ソングを次々とかける。ミネソタならミネアポリスで生まれ育ったプリンスの「キッス」、カンザスならそのものズバリのプログレ・バンド、カンサスの「伝承」を。みんな歌ったり踊ったりノリノリ。7月の共和党全国大会の葬式のようなロール・コールとは正反対だ。そして接戦州ジョージア州の番では同州出身のラッパー、リル・ジョンがサプライズで登場、聴衆と「後戻りはしないぜ!」と合唱した。

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source : 週刊文春 2024年9月12日号