憲政史上最長政権を築いた男は、山口県長門市油谷の小高い丘の上に眠っている。田園風景の中に広がる静かでのどかな空間に、「安倍家之墓」と刻まれた墓石がそびえ立つ。
昨年7月、安倍晋三元首相の遺骨は父と同じこの地に納められた。保守派の象徴として信奉される安倍氏の墓前を訪れる人は今なお絶えない。そして「我こそが正統な継承者」とでも言うように、墓参を極秘計画していた総裁候補が――。
「昭恵夫人にご迷惑かと思いながらも、わがままを言って、富ヶ谷のご自宅でお参りをさせていただきました。その時、安倍晋三君、小学校6年生の時の日記を見せていただきました。小学生の日記とは思えない、日本の政治についての記述。やはり、小学生のときから全然違ったんだなと」
7月7日、都内ホテルで開催された「安倍晋三元総理の志を継承する集い」で、そう力説したのは、高市早苗経済安保相(63)だ。21年の総裁選では、安倍氏の支援を受けて出馬。3位に終わったが、国会議員票に限れば岸田文雄首相に次ぐ2位(114票)だった。
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source : 週刊文春 2024年9月12日号