いくつもの買い物袋をひっさげた爆買い中国人富裕層はもはや日常の光景となったが、そこに紛れた窃盗団が跋扈している。世界を股にかけ、「ピンクパンダ」とよばれる国際的な中国人窃盗集団に所属するとみられる2人の中国人女性が8月27日、警視庁捜査三課に逮捕された。警視庁担当記者が明かす。

「義小鳳容疑者(37)と胡慧玲容疑者(37)は1月17日に東京都の『東京ビッグサイト』で開かれた国際宝飾展で、総額約186万円相当の真珠のペンダント6本を盗んだ疑いが持たれています」

逮捕されたピンクパンダの女(日テレNEWSより)

 防犯カメラには、はっきりと2人の姿が映っていたが、警視庁がすぐに2人を逮捕することはかなわなかったという。

「何しろ2人が入国したのはその前日。盗んだ翌日には出国しており、正味の滞在期間は3日でした。ところが、8月27日午前5時に再び2人が入国したことから、逮捕に至りました。ビッグサイトの宝飾展では他にも総額1000万円近い指輪やネックレスが盗まれたことが分かっており、捜査三課は2人の仕業だと見ています」(同前)

 2人が所属するとされるピンクパンダは中国湖南省の男女100人以上からなる国際窃盗集団として知られる。湖南省ではとっくに野生のパンダは絶滅したとされるが、同様に世界中の宝飾店を荒らした旧ユーゴスラビア系の国際窃盗団「ピンクパンサー」をもじって欧州当局が命名したといわれている。

 捜査関係者は、「ピンクパンダの特徴は、個別の店ではなく、多数の店が出店する宝飾展などのイベントを狙うこと。多人数で客を装って訪れ、商品を見るふりをして、あらかじめ用意した模造品とすり替えるのが典型的な手口。事件直前に入国し、直後に出国することから、なかなか尻尾が掴めなかった」と解説する。

 過去にも他のメンバーが日本で宝石を盗んだことが確認されている。

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source : 週刊文春 2024年9月12日号