体の不調が増えるとどうしても飲む薬の種類が増えていく。しかし、種類を増やすと効果を打ち消したり、内臓を傷めたりするマイナス面も。特に多くの高齢者が利用する四つの薬の危険な飲み合わせを網羅した完全リスト。

 

▶降圧剤と一緒に飲むと、腎臓、肝臓を傷める薬は?
▶水虫、痛風持ちは糖尿病薬に気をつけろ!
▶吐き気止め、胃薬…認知症薬と併用要注意の市販薬
▶女性必読骨粗しょう症薬×胃腸薬で意外な症状が

 

 8月28日、調剤ミスで70代の女性が死亡したとして、遺族がスギ薬局と薬剤師らに損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。この女性は誤って処方された薬の服薬を続けた結果、意識不明で倒れ、救急搬送先の病院で亡くなった。国際医療福祉大学三田病院薬剤部長で、同大成田薬学部の富田隆教授が警鐘を鳴らす。

「今回の件は、薬剤師がミスをしたという非常に稀なケースでしたが、決して他人事で済ませてはいけません。疾患ごとに複数の医療機関で複数の薬を服用している場合、危ない事案が発生しうる。医師が誤って飲み合わせが悪い薬を処方してしまい、薬剤師が見逃してしまう可能性がある。また、処方薬の他に、風邪気味だったり胃腸の調子が悪いからと市販薬を飲んでしまい思わぬ症状が出てしまうこともあります。クスリは反対から読むとリスク。患者も普段から正確な知識を得ておく必要があるのです」

 そこで、降圧剤、糖尿病治療薬、認知症治療薬、骨粗しょう症治療薬という、シニアと密接な関わりを持つ4つの処方薬の危ない飲み合わせについて、医師や薬剤師など有識者に取材し、完全リストにした。

 まずは、降圧剤の危険な飲み合わせだ。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」によると、日本では上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の高血圧症患者は約4300万人と推計され、日本で最も患者数の多い病気となる。

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source : 週刊文春 2024年9月19日号