金賢姫の教育係“李恩恵”の正体は、「芸能人」でも「アッと驚くような人物」でもなかった。だが、日本に二人の子供を残し、酒を飲めば「日本に帰りたい」と涙を流す普通の日本人であるだけに、一層やりきれないのだ。いったい彼女は誰なのか? 子供たちは? 発表は何も明らかにしていない。ナゾは深まっていくばかりである。
※「週刊文春」創刊60周年企画「もう一度読みたい、あのスクープ記事60本」より、アンケート得票数の高かった記事を特別再録します。本記事は1988年2月18日号より転載。記事中の年齢や日付、肩書き等は掲載時のものです。
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「恩恵の身元特定か?」
「芸能関係の女性?」
「驚くべき証言」
2月7日の朝刊各紙は、華々しい見出しで、金賢姫の教育係である李恩恵の身元について報じた。中には「テレビやラジオ、映画などに登場したことのある女性」と書いて、いやが応にも興味をかき立ててくれた新聞もあった。
「あれは前日の捜査関係者のブリーフィングが原因なんです」
と、あるソウル特派員は頭を掻く。
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source : 週刊文春 1988年2月18日号